今日のドブ川~ざる1号作戦
2013年1月「今日のドブ川」シリーズは意外な苦境の中にいた。
極々一般的で、普通に子供が使うような、またどの釣具屋でも昔から販売実績があり、どこのホームセンターにも置いているタモ網(=サデ網の一種らしい)の使用が違法という見解を持つ方が、河川採集について担当している県職員にいる。
つまり市販の網ではガサガサが出来ない。すなわち生息する生き物を紹介できないのである。
まさに危急存亡の秋である。
そこで私は一計を案じた。
これが私が考案した極めて合法的な採集、観察道具である。(計315円税込み)
当然採集スタイル的には田吾作スタイルが基本であろう。
ちなみにこれは採集が終わって、通りがかりの散歩中の方に撮ってもらったものである。
どん引きしていらっしゃるようにも見受けられた。
つまり、普通にタモ網を使った方が怪しくないのである。
埼玉県には再考をお願いする次第である。
さて改めて本作戦を振り返る。このように水質は極めて厳しい。なにやら石鹸のようなものが常に流れている。
第一ポイントはそんな水が留まり酷い臭気を発しつつ氷結しているものの、枯れた植物がいかにもいい感じでまさに究極の選択を強いられた地獄である。
そんな中ざるに入ってきたのは、年端も行かないザリッ子であった。これが記念すべき、ざる採集第一号である。
しかし、ぬかるむたびに水中から出るガスのため意識が危うくなる。
さらに背面にはいつ飛沫をあげて襲い掛かるかわからないDOBUウォーターフォールが口を開いている。
前面にメタン、後背には生活排水。挟撃の危険を感じた私は流水ゾーンへと逃れた。
そしてこの枯れ草の下をちまちま掬うのである。
このように掬うたびにもやもやしたものが入ってくる。
空振りすること数回、自分の人生とは一体何なのかを真剣に考えはじめたそのとき、生命反応が・・・
メダカ、及びシナヌマエビである。
こんな流れの中ポイントを見つけては、ひたすらざるるのである。
結構入ったりする。作戦は成功である。
しかしどこまで行っても容赦ない臭いが襲ってくる。
もはや完全に罰ゲームである。
十数匹のシナヌマエビを撮影のため移動。尚メダカは用がないので即リリースとした。
Neocaridina denticulata sinensis ver TYONNMAGE
Neocaridina denticulata sinensis ver MOHICAN
などが初記載となった。
最後になるが全然使用しなかった道具があることに気が付いたので使用してみた。
特に意味はないがエビ達がややキレイになった気がする。
食べたい気持ちにはなる訳がないが、なんとなく長浜ラーメンをハリガネで替え玉したい気持ちになった。
これをもって本作戦を終了とし、次回定点観測のための第一歩としたのである。
次回も私とドブにつきあってもらおう。
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